水中ロボットとは
人間にとって水中は過酷で危険な領域です、深くなるにつれ暗く、冷たくなっていき、ものによっては水圧で押し潰されます。なにより人間は水中で直接呼吸ができません。そのような水中で人間の代わりにいろいろな作業をするロボットを、一般に水中ロボットと呼んでいます。現在実用化されている水中ロボットは、運用形態の違いにより有索の遠隔操縦水中ロボット(ROV)と、自律型水中ロボット(AUV)に大別されます。
遠隔操縦水中ロボット(ROV)
アンビリカルケーブルと呼ばれる通信、電力供給用のケーブルを介して、人間が母船上から操縦するタイプの水中ロボットです。水中カメラからの映像をリアルタイムで見ることができるので、生物調査や海底油田の作業ロボットなどに利用されています。電力が母船から供給されるので、行動時間に制限を受けることはありませんが、ケーブルは海中で大きな抵抗となるので、母船からあまり遠く離れて行動することはできません。
自律型水中ロボット(AUV)
作業内容をあらかじめプログラミングしておくことで、緊急事態以外は人間が外部からコントロールすることなく、自らの判断で行動するタイプの水中ロボットです。超音波測深器やスチルカメラを搭載し、海底地形の調査や機雷の除去作業などに利用されています。ROVのようなケーブルがないので、行動範囲に制限を受けることはありませんが、電源は内蔵バッテリーなので行動時間が制限されます。
アクアバイオロボット
魚のヒレ運動やイルカのドルフィンキックなど、水中生物の動きを模倣して作られた水中ロボットです。ROVタイプとAUVタイプ両方あるようですが、作業用ロボットというよりは、研究や趣味の領域で利用されています。